メッセージ
「丹定(たんさだ)」は、江戸時代末期の文化5年(1808年)に創業した老舗の商家です。創業者の丹後屋定八は、丹後の神崎村から上京して米穀商を開業し、手広く商いを行ってきました。200年以上続いた老舗として京都市から表彰されています。平成4年(1992年)8月に、閉店しています。
この建物は、大正14年(1925年)9月から2年の歳月をかけて建てられた「大型京町家」です。約83坪(275.96㎡)の土地に建てられており、蔵もあります。貴重な「大型京町家」で、二度と同じような建物を建てることはできません。この建物は、京都市から「個別指定京町家」「歴史的風致形成建造物」「京都を彩る建物及び庭園」に選ばれております。この建物を次の世代に承継するために、宿泊施設にしました。
平成30年(2018年)9月に、「京町家 丹定(たんさだ)」を開業しました。
宿の建物の入口の扉は、米屋格子です。玄関を入ると土間があります。もとは坪庭があった空間です。玄関の左手に衣装蔵があります。この蔵は、大火から財産を守るため、厚さ20cm以上の土壁で作られており、母屋よりも古いものと考えられています。
母屋は、柾目(まさめ)の木材や土などの貴重な素材を使い、伝統的な工法で建てられています。10畳の座敷の障子が雪見障子になっており、ガラス越しに庭が眺められます。
庭に面した廊下は、歩くと音が鳴る鴬(うぐいす)張りになっています。この建物が建てられた当時は米騒動が起きており、高い塀と廊下の鴬張りで侵入者から身を守る仕組みが作られています。
庭には2基の灯篭(とうろう)と、鞍馬(くらま)石をはじめとした贅沢な石が飛び石に並べられています。松やもみじが植えられ、春は青紅葉、秋は紅葉が楽しめ、苔の青さがその色の移り変わりを引き立てています。
夜は、ライトアップされた灯篭やモミジが楽しめます。
庭の背後には木賊(とくさ)張りの竹垣があります。この竹垣は、竹と竹の節を削って組み合わせて作ってあります。桂離宮や修学院離宮などでしか見ることができない貴重な竹垣です。
ここは、街の中心部にありながら、高い塀と竹垣に囲まれており、静かな空間が保たれています。ここではゆったりと時間が流れ、くつろぎの時を過ごすことができます。
わたしたちは、この建物を保存して、京都の伝統や文化を次の世代へ伝えていきたいと考えております。また、これまで築き上げた地域の人たちとのつながりを大切にし、地域の発展に貢献したいと思っております。
このような思いで、
京都らしい魅力ある宿泊施設を目指しています。
その思いを受け止め、ご利用いただけると幸いです。
令和5年1月
京町家 丹定(たんさだ)
代表 竹内太一

